イギリスで医療職、介護職として働くには?
NHSのバンド制と職場事情をわかりやすく解説!
こんにちは。Naoです。今回は「イギリスで医療職として働くには?」というテーマで、NHSの仕組みやお給料システム(バンド制)についてご紹介します。
このブログを読んでくださっている方は、日本で医療職として働いていて、海外、とくにイギリスでの働き方にちょっと興味がある方が多いのではないかと思います。
私自身、日本でOT(作業療法士)として働いた後、イギリスに移住し、NHSの病院で約10年勤務、現在はLocal Goverment(地方政府)で作業療法士として働いています。
① NHSってどんな職場?
イギリスの医療制度の中心は「NHS(National Health Service / 国民保健サービス)」です。NHSについては以前ブログで説明しています。コチラ
NHSはイギリス全土の医療・介護サービスを担う公的な組織で、基本的に患者さんは無料で診療を受けられます(処方箋代などは一部負担あり)。
働く側としては、医師、看護師、OT、PT、ST、薬剤師、放射線技師、介護士など、多くの医療・介護職がNHSで働いています。
② 医療職の職場はどこがある?
イギリスで医療職として働ける場所は、実は病院だけではありません。代表的な職場は以下の通りです:
- NHS病院(急性期・リハビリ・地域病院)
- 地域医療(コミュニティベースのサービス、訪問リハなど)
- 地方自治体(ローカルガバメント)
- 学校
- 刑務所(Prison)
- プライベート(民間)病院
- ケアホーム、ナーシングホーム
- ケアエージェンシー(介護士さん向け)
私自身も今は病院ではなく地方自治体で働いていて、地域に住む高齢者や障がいを持った方々の支援をしています。
③ NHSの求人とバンド制とは?
NHSでは「バンド制」と呼ばれる給与体系が使われています。これは、職種や経験年数、責任のレベルに応じて給与のバンド(等級)が分かれているという仕組みです(※医師は別の給与スケールです)。
🔹バンド制の概要:
Band | 役職例 | 経験年数の目安 | 内容 |
---|---|---|---|
5 | 新人OT / PT / ナース | 0〜2年 | 基礎スキルを学びながら実務を行う |
6 | シニアOT / PTなど | 2〜5年 | 複雑なケース対応、後輩指導など |
7 | チームリーダー、スペシャリスト | 5年以上 | 専門分野での高度な実践、チーム運営 |
8a〜d | サービスマネージャーなど | 7〜10年以上 | 部署全体の管理・運営 |
✨ポイント:昇格は自動的ではありません。次のポジションに自ら応募し、面接を通過して初めて昇格となります。
④ 最初はどこから応募すればいいの?
海外からイギリスで医療職として働きたい場合、最初に目指すのはBand 5のポジションです。
経験があっても、イギリスでの臨床経験がない場合はBand 5から始めるのが現実的です。実際に私もそうでしたし、他の海外からの医療職の方も多くがそのルートをたどっています。
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また人材紹介会社を使うという方法もあります。
ちなみにPT, OTで言えばメインどころはここ。
- Piers Meadows Recruitment
- Sanctuary Personnel
- Mediplacements
- Sugarman Health & Wellbeing
⑤ 私の経験から
私は日本でOTとして働いた後、イギリスに来てまずはNHS病院でBand 4でアシスタントとして働き始めました。最初からOTじゃなくてアシスタントの仕事をした事でNHSの仕組みや病院でのOTの役割が分かって良かったと思います。
その後、臨床経験を積み、Band 6のポジションに応募してシニアOTとして勤務。その後、地方政府に転職し、現在は役所でOTとして活動しています。
イギリスではキャリアパスがはっきりしていて、自分のペースでステップアップできるのが魅力です。ちなみに転職も頻繁に行われます。
おわりに
イギリスで医療職として働くことに興味がある方にとって、NHSのバンド制や職場の種類を知っておいた方がいいと思います。
今後もブログで、「ビザのこと」「英語面接のコツ」「生活のリアル」などもシェアしていく予定ですので、ぜひまた読みに来てくださいね!
Nao ☕️