イギリスで働く日本人OT&ママのリアルな日常を綴ります。OTとしての経験や子育てをしていく事での気づき、そしてなんだかんだで楽しいイギリスの毎日をシェアしていきます!

Month: February 2025

イギリスの学校の「ハーフターム」

親の本音と子供の喜び

私には13歳と12歳の娘がいます。
二人ともイギリスで生まれ育ちましたが、日本が大好きな女の子に育ってくれて、母としてとても嬉しいです。

さて、今週から娘たちの学校は ハーフターム で1週間お休みです。
イギリスの学校は日本と同じように春休み(イースターホリデー)、夏休み、冬休み(クリスマスホリデー)がありますが、それに加えて 学期の真ん中に「ハーフターム」 という休みがあります。
期間は学校によりますが、うちの娘たちの学校では毎回1週間(10月だけは2週間!) です。

ハーフタームは、「リフレッシュ期間を設けることで学習効果を高め、教師・生徒ともにストレスを減らす」ことが目的のようです。(実は今回初めて調べて目的を知りました😅
日本にはない制度ですが、オンとオフの切り替えを大切にするイギリスらしい仕組み だなと思います。
学習の質や心身の健康を保ち、家庭とのバランスを取りやすくする、なかなか良い制度です。

…でも、共働きの親には辛い!
正直、「できれば学校に預かっていてほしい…」と、子供たちが小さい頃は思っていました。
ただ、今は子供たちも大きくなり、ずっとつきっきりでなくてもよくなったので、少し気持ちに余裕が出てきたのかもしれません。


働く親のスケジュール調整

私もできるだけ娘たちと過ごしたいので、有給は学校の休みに合わせて取るようにしています。
とはいえ、有給には限りがあるし、職場の同僚たちも皆同じことを考えているので、スクールホリデー中の休み申請はお互いをカバーしながら になります。
気をつけないと、同じ週に休み希望が集中してしまい、「気づいたら職場にほとんど人がいない!」なんてことも…。

今回は、私は木曜日と金曜日に休みを取りました。
子供たちの父親が日曜から火曜日まで彼の実家に連れて行くので、それまでは子供達は彼と一緒。
水曜日は私が在宅勤務をして、その間は子供たちに自分で過ごしてもらう予定です。
このように、毎回親は頭を悩ませながらスケジュールを調整しています。

子供たちがプライマリースクール(小学生)の頃は、子供達は休み中ホリデースクール に通っていました。
今はティーン・プレティーンになり、以前ほど親の手が必要なくなったので、だいぶ楽になりました。
とはいえ、ホリデースクールも結構楽しそうで、当時はよく「今日はこんなことしたよ!」と嬉しそうに話してくれていたのを思い出します。


なんだかんだで、ハーフタームが好き

こうして、イギリスの親たちはスクールホリデーの多さに毎回頭を悩ませる わけですが…
そんな親たちの気持ちをよそに、子供たちにとっては嬉しいハーフターム!

そして私も、この1週間はお弁当作りからも、学校の送り迎えからも解放 されるので、なんだかんだで結構楽しみだったりします。
今回は2日間お休みも取れたし。

ハーフターム制度、学期の真ん中でリフレッシュできるし、実は結構好きかも。😊


イギリスで作業療法士(OT)になる方法

今日は、イギリスで作業療法士(OT)として働く方法についてお話ししたいと思います。 

イギリスでOTとして働きたい方の参考になれば嬉しいです。また、OTだけじゃなくて、他の医療職特に理学療法士に興味があるという方の参考にもなるんじゃないかと思います。

イギリスの大学で作業療法を学ぶ

イギリスで作業療法士になる最も一般的な方法は、以下のいずれかの学位を取得することです。

  • 学士課程(BSc in Occupational Therapy):通常3〜4年
  • 修士課程(Pre-registration MSc in Occupational Therapy):すでに関連分野の学位を持っている場合、通常2年

卒業後、HCPC(Health and Care Professions Council)に登録し、正式に作業療法士として働くことができます。

ちなみにこちらのサイトで、hcpcが認定するコース(OTだけに限らず他のHCXPCが管轄している職種も)が調べられます。」


海外で作業療法士資格を取得した場合(HCPC登録)

日本を含め、海外で作業療法士の資格を取得している場合、HCPCへの登録申請をすることでイギリスで作業療法士として働くことが可能です。

ちなみに私はこのルートでOTになりました。もうだいぶ前ですが、申請方法はそんなに変わっていないようです。

ちなみに必要な書類は以下になります。

申請に必要な書類(一例)

  • 写真付きの身分証明書(パスポートなど)
  • 住所証明(銀行のステートメント、ガス・電気代の請求書、イギリスの運転免許証、カウンシルタックスの手紙など)
  • 学歴・資格証明書(英訳付き)
  • 大学や専門学校のコース内容証明(解剖学や運動学を何時間学んだかなど、詳細な履修証明書)
  • 臨床経験の証明(実務経験を証明する書類)
  • 英語能力の証明(IELTSの場合、Overall 7.0以上、かつ各スキル6.5以上が必要。他にTOEFLやOETでも申請出来ます)
  • 専門的な推薦状
  • パスポートなどの証明書に専門職のサイン(医療従事者、銀行員、議員、教師などが証明可能)

HCPCが資格の内容にギャップがあると判断した場合、追加の研修や適応コースの受講が必要になることがあります。

申請費用(2025年現在)

  • £639.98(約12万円相当、為替レートにより変動)

詳しくはHCPCの公式サイトで確認してくださいね。

HCPCのはちなみに 作業療法士以外にも、理学療法士、言語療法士、アートセラピスト、バイオメディカルサイエンティスト、救急救命士、放射線技師など、15以上の専門職を管轄しています。

ということは、OTだけに限らずその他のhcpcが管轄している職種も同じような手順で日本の免許でもhcpcに登録することが出来れば、イギリスで働けるんだと思います。(確認要)


アプレンティスシップ(見習い制度)を利用する

すでに医療・福祉分野で働いている場合、作業療法士の学位取得型アプレンティスシップ(Occupational Therapy Degree Apprenticeship)を通じて資格取得をする事も出来ます。

ちなみに今私はアプレンティスシップ中のイギリス人女性のメンターを1年間しています。 彼女の場合、

  • 2年間 私が働いているカウンシルでOccupational Therapy Assistantとして勤務
  • その後、カウンシルがスポンサーとなり、提携している大学に通いながら、4年間のアプレンティスシップに参加
  • 週1回(木曜日)は大学で学習し、臨床実習も実施

この制度では、給与を受け取りながら資格取得が可能で、学費もスポンサーが全額負担というメリットがありますが、なんせ仕事と学習の両立ってとても大変そうです。

カウンシルがサポーターになっているので、実習もカウンシルが提供。彼女が他のところへ実習に行っている間は、違う生徒がうちに実習に来ます。


このように、イギリスで作業療法士になるには、いくつかのルートがありますが、 日本の免許を持っている場合、HCPCへの登録を申請する方がスムーズです。

私が思うこと

よく言われるのが、「英語の試験(IELTS 7.0以上)も必要なの?大変だね。出来ない。。。」

確かに難しいと感じるかもしれないけど、英語圏でプロフェッショナルとして働くにはそれなりの英語力というのはやはり必要であって、最低限これくらいは。。。っていうレベルなんじゃないかと思います。

英語があまり出来ないと仕事中のミスにも繋がるかもしれないし、そもそも職も見つかりにくいと思います。

日本でも日本語があまり上手でなければ、雇う側だって不安ですよね?

でも決して超えられない壁ではありません。本気で一年すごく頑張ればいけるレベルだと私は思っています。

イギリスでOTとして働いてみたい方、興味がある方は是非チャレンジしてみてください!

きっと新しい世界が見えると思います。

イギリスでOT

イギリスでOTになるまで

2004年にイギリスへ渡ったとき、最初はたった1年の語学留学のつもりでした。

ところが、1年目に出会った前夫と1年半の遠距離恋愛を経て結婚。2人の子どもにも恵まれ、気づけばイギリス生活はまだまだ続きそうです。

結婚後の最初の1年間はロンドンのNHS病院でOTA(Occupational Therapist Assistant)として働きました。

その後、HCPC(Health and Care Professions Council)に登録するのに約1年かかり、ようやく2009年(だいたいそれくらい)に正式にOTとして働けるようになりました。

出産や育児で一時仕事を離れた時期もありましたが、それでも10年以上、イギリスでOTとして働いてきました。そして今でも思うのです。

「私、日本でOTの資格を取っていて本当に良かった!」

昔は、もっと華やかな仕事に憧れたり、OTを選んだことを後悔したこともありました。

でも今は心から「天職だった」と思っています。

お給料が特別良いわけではないけれど、とてもrewarding(やりがいのある)仕事です。

私は日本でOTの資格を取得しましたが、日本での経験は4年ほどしかありません。それでも、イギリスでOTとして働くことができたのは、挑戦してみたから。

前夫との結婚を機にイギリスへ戻ったものの、私にはOTとしての経験しかない。

そこで、イギリスのリクルートエージェンシーReedにCV(履歴書)を送ってみました。すると、Reedが私のCVをjob board(求人情報サイト)に掲載し、それを見た別のエージェンシーから連絡が。

「OTアシスタントの募集があるけど、どう?」

面接を受けたところ、元々OTだったこともあり、スムーズに6ヶ月限定の採用が決定。イギリスでは、医療や福祉の分野で契約(派遣)として働くことを “Locum” と言います。この6ヶ月の契約が延長され、1年間勤務。その間、OTの同僚たちの協力を得て、無事にHCPCに登録できました。

こうして、私は晴れてイギリスでOTとして働くことができるようになったのです。

イギリスでOTになるためには?

イギリスでOTとして働くには、HCPCに登録することが必須。
日本の資格でもHCPCに登録できれば、イギリスでOTとして働くことができます。

この件については、また別の機会に詳しくお話ししますね。

現在の私とOTという仕事

こうして、私のイギリスOT生活はスタートしました。いくつかの病院で働いた後、今は**イギリスのCouncil(地方政府)**でOTをしています。

最初はやっぱり英語が下手で苦労しました。それでも、これまでやってこられたのは、素晴らしい同僚や上司に恵まれてきたから。

つくづく思うのは、
「OTは基本的に、いい人が多い。そして面倒見がいい。」

これはOTに限らず、人をケアする仕事を選んだ人たちだからこそなのかもしれません。

そして、それが「OTになって良かった!」と心から思う一番の理由でもあります。

もし、イギリスでOTを目指している方がいたら、ぜひ挑戦してみてください!きっと素晴らしい経験が待っています。

これからも、イギリスOTママとしての日々をブログに綴っていきます。

ぜひまた読みに来てくださいね!