イギリス式 スリープトレーニングの挫折と成功
うちには現在11歳と13歳の娘がいます。プレティーンとティーンのはざま、子育てはまだまだ続いていますが、手はだいぶかからなくなってきました。
とはいえ、振り返ると「本当にあの時期よく頑張ったな〜」と思うことのひとつが、イギリスでのスリープトレーニングです。
日本で育った私にとっては、子どもができたら“子ども中心”の生活になるのが当たり前。でも、イギリスで子育てをしていて面白いなと思うのは、家庭の中心は基本的に「夫婦」だという考え方が根付いていること。子供をベビーシッターさんに預けて夫婦でお出かけするというのもごく普通の事です。
むしろ「その方がいいよ」と背中を押してくれる雰囲気があります。
イギリスで子育てをしていて感じるのは、「母親=我慢すべき存在」ではないという考え方がとても当たり前に根付いていること。
もちろん子どもに振り回される毎日ではあるのですが、夫婦は同じベッドで寝て、赤ちゃんはできるだけ早い時期から一人で寝る練習をする。そのために行うのが、そう、「スリープトレーニング」なのです。
イギリスで子育て中の我が家、6ヶ月からスリープトレーニングをスタート!
うちも例に漏れず、娘たちが6ヶ月を過ぎた頃から添い寝をやめてスリープトレーニングを開始しました。保健師(Health Visitor)にも「もう始めていい時期よ」と言われ、ママ友たちの会話も完全にスリープトレーニング一色。
スリープトレーニングとは?
赤ちゃんが親の手助けなしで、自分で寝つくことを覚える練習です。夜中に起きても、抱っこや授乳をしなくてもまた眠れるようになるのが目標。
イギリスではこの「自己安定力(self-soothing)」が大事にされていて、赤ちゃん自身が安心して眠れるようになることが、家族全体の睡眠の質向上にもつながると考えられています。
私が試したスリープトレーニングいろいろ
1. まずは話題のGina Ford式
ママ友に勧められて始めたのが、Gina Ford(ジーナ・フォード)のスリープトレーニング法。
この方法、なんといっても特徴は超細かいタイムスケジュール!例えば
- 7:00 起床・授乳
- 9:00 朝寝
- 11:00 授乳
- 12:00 お昼寝
- 14:00 遊び…など
「これが毎日できたら理想だよね〜」と思いながら、3日も持たずに挫折(笑) 赤ちゃんがスケジュールに従うわけないじゃん…と早々に諦めました。
2. Chair Method(椅子ステップダウン法)
次にチャレンジしたのは、椅子に座って見守るスタイル。 「そばにはいるけど、手助けはしない」というやつです。
最初の数日は椅子の上で寝落ち → 変な姿勢で首を痛める → 翌朝、体バキバキ。 気づいたらやらなくなってました(笑)
3. 結局たどり着いたのは「トントン法」
最後にたどり着いたのは、赤ちゃんが泣いたら部屋に行ってそっとトントンしてあげる方法。
抱っこや授乳はNG。あくまで「そばにいるから大丈夫だよ〜」と伝えるだけ。泣きながら寝ていく赤ちゃんを見るのはつらいけれど、「今が頑張りどき」とママ友にも言われ、夫にも「一緒に寝るようにするという選択肢はないよ」と言われ…
ちなみにうちの夫は、一度夜起きるとなかなか寝付けないタイプ。私はその逆で、何回でも起きてまたすぐ眠れるタイプ。そのため、夜中のトントン役は基本的に私。
寝ている時に泣き声が聞こえると、胸が締め付けられるような感じが辛い。。。
その頃私はA&E(救急外来)で働いていて、寝不足で働くなんてとんでもない。結局、仕事を辞めてまでスリープトレーニングに挑みました。
今だから言えること
正直、当時はめちゃくちゃつらかったです。 「一緒に寝たほうが楽だし幸せなんじゃ…」と何度も思ったし、泣いている赤ちゃんをトントンしながら眠るのを待つ時間の長いこと長いこと…
でも、いつの間にか夜通し寝てくれるようになっていました。気づいたら「あれ?昨晩、誰も起きなかったね?」って。
あの頃の赤ちゃんたちの写真を見返すと「可愛かったな〜」とは思うけれど、決して戻りたいとは思いません(笑)
最後に
世の中の寝不足ママ・パパ、 本当にお疲れさまです。
スリープトレーニングに正解はありません。家庭によって、赤ちゃんによって、合う方法も時期も違います。
でもどんな方法でも、「眠る力」はちゃんと育っていくもの。
当時は長いトンネルを走っているようで、なかなか出口が見えない感じがしたけど、あの頃の自分にも言いたい。 「がんばりすぎなくて大丈夫、ちゃんと出口はあるよ!」
世の中の子育て真っ最中のパパさん、ママさん、本当にすごいです!